健康診断でバリウムを飲んだ後、下剤の効果はいつ現れるか予測がつきません。多くの場合は自宅に戻ってからですが、時には通勤途中の駅や、立ち寄った商業施設のトイレで、その時を迎えてしまうこともあります。そんな時、多くの人の頭をよぎるのは「公共のトイレを汚してしまったらどうしよう」という不安と焦りでしょう。 まず大前提として、生理現象を我慢するのは禁物です。バリウムは体内で固まり始めると深刻な健康被害を引き起こす可能性があるため、便意を感じたらすぐにトイレに行くことが最優先です。その上で、次に使う人や清掃員の方への配慮として、できる限りの対応を心がけたいものです。 排出した後は、必ずすぐに水を流し、便器の状態を確認しましょう。もし、白い汚れが付着してしまった場合、自宅のように重曹やブラシを使って掃除することはできません。ここで無理にトイレットペーパーでゴシゴシこすろうとすると、かえって汚れを広げてしまったり、ペーパーが便器に張り付いてしまったりして、状況を悪化させる可能性があります。 では、どうすれば良いのでしょうか。最も現実的で誠実な対応は、水を「複数回」流してみることです。一度で落ちなくても、水の勢いを繰り返し与えることで、固まる前のバリウムであれば流れ落ちる可能性が高まります。それでも汚れが残ってしまった場合は、残念ながら個人でできることはそこまでです。その場を立ち去る際に、もし施設のインフォメーションカウンターや、清掃員の方が近くにいれば、「トイレを汚してしまったので、確認をお願いします」と一言伝えることができれば、それは非常に丁寧な対応と言えるでしょう。しかし、それが難しい状況も多々あるはずです。その場合は、せめて心の中で「ごめんなさい」と謝る気持ちを持つだけでも、何もしないよりは良いかもしれません。 外出先でのトラブルは誰にでも起こりうることです。過度に自分を責める必要はありませんが、公共の場を使わせてもらうという意識と、次に使う人への配慮を忘れないこと。そして何より、そうした事態を避けるためにも、検査当日はできるだけまっすぐ帰宅するスケジュールを組むのが、最も賢明な自己防衛策と言えるでしょう。
外出先のトイレでバリウムどうするべきか