厳しい寒波が襲った朝、いつものようにお湯を使おうとして蛇口をひねっても、うんともすんとも言わない。そんな絶望的な状況に直面したら、それは給湯器が凍結してしまったサインかもしれません。急なトラブルに慌ててしまう気持ちは分かりますが、パニックに任せた行動は状況をさらに悪化させる危険性をはらんでいます。特に、凍結した給湯器に対して絶対に行ってはいけないことがあります。二次被害を防ぎ、安全に復旧させるためには、正しい知識を持って冷静に対処することが何よりも大切です。 最もやってはいけない行動、それは凍結した配管に熱湯をかけることです。早く溶かしたい一心でやってしまいがちなこの行為は、非常に危険です。凍りついた金属製の配管に急激に熱いお湯をかけると、その温度差によって配管が収縮・膨張し、亀裂が入ったり破裂したりする可能性があります。もし配管が破裂すれば、お湯が使えるようになるどころか、大規模な水漏れを引き起こし、修理費用も高額になってしまいます。同様に、ドライヤーなどで集中的に温めるのも避けるべきです。部分的な急加熱は配管に余計な負担をかけることになります。 では、お湯が出ないことに気づいたらどうすれば良いのでしょうか。最も安全で確実な方法は、気温が上昇して自然に解凍されるのを待つことです。給湯器のリモコンで運転スイッチをオフにし、お湯側の蛇口を少しだけ開けておきましょう。こうすることで、氷が溶け始めた時に水の逃げ道ができ、配管への圧力を軽減できます。日中の気温がプラスになる日であれば、お昼頃には復旧することが多いでしょう。もし、どうしても急いでお湯を使いたい場合や、気温が上がっても状況が改善しない場合、また解凍後に給湯器周辺から水が漏れているのを発見した場合は、迷わず専門の修理業者に連絡してください。自己判断での無理な対処は、さらなる故障の原因となります。事前の水抜きが最善の予防策ですが、万が一凍結してしまった際は、焦らず待つ勇気を持ちましょう。
給湯器が凍結した時に絶対してはいけないこと