マンションやアパートにお住まいの場合、給湯器がどこに設置されているか、普段あまり意識していないという方も多いのではないでしょうか。しかし、冬の厳しい寒さは集合住宅にも等しく訪れます。戸建て住宅と同様に、給湯器の凍結対策、特に水抜きは非常に重要ですが、マンションならではの注意点が存在することも知っておくべきです。いざという時に慌てないためにも、まずは自分の住まいの給湯器がどこにあるかを確認することから始めましょう。 多くのマンションでは、給湯器は玄関横の金属製の扉の中、いわゆるパイプスペースに収納されているか、あるいはベランダやバルコニーの壁に設置されています。パイプスペースは普段開けることがないため、いざ水抜きをしようにも扉の開け方が分からなかったり、前に物を置いていてすぐに開けられなかったりするケースが少なくありません。また、給湯器に水を供給している給水元栓は、水道メーターと同じボックスに収められていることが多く、こちらも事前に場所を把握しておく必要があります。 凍結対策の手順自体は戸建ての場合と大きく変わりませんが、作業環境には配慮が求められます。パイプスペースやバルコニーは屋外とほぼ同じ環境であり、十分に凍結のリスクがあります。水抜き栓から排出される水で共用廊下や階下のベランダを濡らしてしまうと、ご近所とのトラブルに発展しかねません。作業の際には、必ず大きめのバケツや雑巾を用意し、水が床にこぼれないように細心の注意を払いましょう。 「マンションだから大丈夫」という思い込みは禁物です。凍結による故障は、多くの場合、対策を怠った入居者の責任となります。冬本番を迎える前に、一度ご自宅の給湯器と元栓の場所を確認し、取扱説明書に目を通しておくこと。その小さな一手間が、集合住宅での快適で安心な冬の暮らしを守ることに繋がるのです。
マンション暮らしで見落としがちな給湯器の場所