毎月の水道代が高いと感じ、お風呂の残り湯を洗濯に使ったり、食器洗いの水をこまめに止めたりと、涙ぐましい節水の努力を続けている方は少なくないでしょう。しかし、それでも請求書の金額が思うように下がらない場合、その原因はあなたの努力不足ではなく、毎日使っている「トイレ本体の古さ」にある可能性を疑うべきです。実は、トイレの洗浄技術はここ二十年ほどで劇的に進化しており、古いトイレと最新のトイレとでは、一度に流す水の量に驚くほどの差があるのです。 今から二十年以上前に設置されたような古いタイプのトイレは、一度の洗浄で約十三リットルもの水を使用していました。一方で、現在の節水型トイレでは、大洗浄でも五リットル前後、中には四リットルを切るような超節水モデルも登場しています。その差は、実に半分以下。この差が、日々の積み重ねでどれほどの違いを生むか、一度計算してみましょう。例えば、四人家族がそれぞれ一日に五回トイレを使用すると仮定します。古いトイレでは、一日で「十三リットル×二十回=二百六十リットル」の水を使います。これを最新の五リットルのトイレに交換すれば、「五リットル×二十回=百リットル」となり、一日に百六十リットルもの節水に繋がります。一ヶ月では約四千八百リットル、年間では五万リットル以上の水を節約できる計算になるのです。これは、浴槽二百杯分以上にも相当する量であり、水道代に換算すれば、年間で一万円以上の差額になることも珍しくありません。 もちろん、トイレ本体の交換には十数万円単位の初期費用がかかります。しかし、この差額を考えれば、その費用は数年から十年ほどで回収できる、非常に賢い「自己投資」と捉えることができます。もし、あなたが築年数の古い住宅にお住まいで、一度もトイレを交換したことがないのであれば、一度ご自宅のトイレの型番や仕様を調べてみることをお勧めします。高い水道代の原因は、あなたの使い方ではなく、時代遅れの燃費の悪いトイレそのものかもしれません。最新の節水トイレへの交換は、家計を助けるだけでなく、限りある水資源を守るという、環境への大きな貢献にも繋がるのです。