トイレを使用した後に、便器の水位がいつもより明らかに低いことに気づく。この「便器に水が溜まらない」という症状は、放置すると下水道からの悪臭や害虫の侵入といった不快なトラブルに直結する、重要なSOSサインです。しかし、慌てて専門業者に連絡する前に、いくつかの簡単なポイントを確認するだけで、意外と自分で解決できるケースも少なくありません。パニックにならず、以下の3つのステップを順番にチェックしてみてください。まず最初に確認すべきは、「トイレタンクの中」です。陶器製の重い蓋を、両手でゆっくりと真上に持ち上げて外し、内部の状態を観察しましょう。タンクの中に十分に水が溜まっているか、そして、タンクの真ん中あたりにある、細いゴムや樹脂のチューブ(補助水管)が、オーバーフロー管と呼ばれる太い筒にきちんと差し込まれているかを確認してください。この補助水管は、タンクに水が溜まるのと同時に、便器側へも水を補給し、封水の水位を保つための非常に重要な部品です。この管が外れていたり、違う方向を向いていたりすると、便器に十分な水が供給されず、水位が低くなってしまいます。もし外れていたら、正しい位置に差し直すだけで解決することがあります。次に確認すべきは、「トイレの止水栓」です。止水栓は、トイレタンクの横の壁や床から伸びる給水管の途中に設置されている、水の供給量を調整するための栓です。掃除の際にうっかり触ってしまったり、何かの拍子に半閉きの状態になっていたりすると、タンクへの給水量が減り、結果として便器への補給水も不足してしまいます。止水栓にマイナスドライバーで回す溝がある場合は、その溝が給水管と平行になるように、時計と反対周りにゆっくりと回して、全開になっているかを確認してください。最後に、意外と見落としがちなのが、「長期間の不在による蒸発」です。特に、夏場や空気が乾燥する冬場に、1週間以上家を留守にしていた場合、便器に溜まっていた封水が自然に蒸発して、水位が下がってしまうことがあります。この場合は、故障ではなく自然現象なので、バケツなどでゆっくりと便器に水を注ぎ、いつもの水位まで戻してあげるだけで問題は解決します。まずはこの3点を確認するだけでも、水位が低い原因の多くを特定し、対処することができるはずです。