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「まだ使える」は危険信号水栓交換を考えるべきタイミング
キッチンの水栓からポタポタと水が漏れ始めて、初めて交換を意識する。多くの人はそうかもしれません。しかし、水栓の劣化は、はっきりとした水漏れという形で現れる前に、様々な小さなサインを発しています。この「まだ使えるから大丈夫」と見過ごしがちなサインに気づくことが、突然の水漏れトラブルや高額な修理費を防ぐための鍵となります。 まず注意したいのが、ハンドルの操作感の変化です。レバーを上げ下げする際に以前より力が必要になった、あるいは「ギー」というきしむような音がする。これは内部のバルブカートリッジという部品が摩耗・劣化したサインです。また、レバーが特定の角度でしか止まらない、ぬるま湯を出そうとしても急に熱くなったり冷たくなったりする、といった温度調節の不具合も、カートリッジの寿命が近いことを示唆しています。 次に、吐水口から出る水の様子を観察してみましょう。水の勢いが明らかに弱くなった、あるいはまっすぐ綺麗に出ず、四方八方に飛び散るように出てくる。これは吐水口の先端にあるフィルターの目詰まりが原因の場合もありますが、掃除しても改善しない場合は、水栓内部の部品の劣化やサビが原因かもしれません。 そして、見落としがちですが非常に重要なのが、水栓の根元、シンクとの接地面が常にじわじわと湿っている状態です。これは内部のパッキンが劣化し、密閉性が失われている証拠です。放置すると、見えないシンクの下の収納棚に水が滴り、カビや木材の腐食を引き起こす二次被害に繋がる恐れがあります。 一般的に、水栓の寿命は十年が目安と言われています。目立った不具合がなくても、使用年数が十年を超えていたら、そろそろ交換の時期だと考えるのが賢明です。日々の暮らしの中で感じる小さな違和感は、水栓が発するSOS信号です。大きなトラブルに見舞われる前に、計画的な交換を検討してみてはいかがでしょうか。