毎月ポストに届く水道料金の請求書を見て、ため息をついている方はいませんか。節水を心がけているつもりでも、なぜか水道代が下がらない。その原因は、もしかしたら毎日何気なく使っている「トイレ」にあるのかもしれません。実は、家庭で使われる水の中で、お風呂に次いで大きな割合を占めているのがトイレです。しかし、逆に言えば、このトイレの使い方を少し見直すだけで、水道代を効果的に節約できる可能性があります。 まず、最も簡単で今すぐ始められるのが、洗浄レバーの「大」と「小」を正しく使い分けることです。最近のトイレでは、大レバーで約六リットルから八リットル、小レバーでは約四リットルから六リットルの水が流れます。その差はわずか数リットルですが、一日に家族全員が何度も使うことを考えれば、この積み重ねは決して無視できません。「面倒だから」「つい癖で」と、どんな時でも大レバーを使っている方は、意識して使い分けるだけで、年間で数千円単位の節約に繋がるのです。ただし、昔ながらの「タンクにペットボトルを入れる」という節水術は、タンク内の部品に干渉して故障の原因になったり、流す力が弱まって逆につまりを誘発したりするリスクがあるため、お勧めできません。 そして、日々の節水習慣以上に水道代を左右するのが、目に見えない「水漏れ」の存在です。もし、水道の使用量に心当たりがないのに料金が急に上がった場合は、まずトイレの水漏れを疑ってください。「チョロチョロ」という音が聞こえなくても、便器の内側に常に水が流れているケースは少なくありません。簡単なチェック方法は、まずトイレのタンクの蓋を開け、中の水面が静止しているかを確認します。もし波紋が立っているようなら、水が流れ続けている証拠です。さらに、便器ボウルの水面に、常に水が流れ込んできている筋がないかをよく観察してください。このわずかな水漏れを放置すると、月に数千円から一万円以上も水道代が余計にかかってしまうこともあります。 トイレは、私たちの生活に不可欠な設備ですが、同時に家計における大きな水の使用源でもあります。レバーの正しい使い分けという小さな習慣と、定期的な水漏れのチェック。この二つを心がけるだけで、無駄な出費を抑え、環境にも優しい暮らしを実現することができるのです。
トイレの水道代を見直すだけで家計は変わる