ある戸建て住宅に住む家族の事例を紹介します。彼らはある月、水道料金が前月の三千円から一気に二万円に跳ね上がったことに気付きました。家中を調べましたが、蛇口からの漏れもトイレの故障も見当たりません。水道メーターのパイロットは、水を使っていない時も回り続けていました。専門の水道業者に調査を依頼したところ、庭の植え込みの下を通る古い鉛管が腐食し、そこから大量の水が地中に漏れ出していることが判明しました。地表には水が浮き出ていなかったため、専門家でなければ発見できない「地下漏水」の状態でした。業者はすぐに配管の引き直し作業を行い、漏水は止まりましたが、残されたのは高額な請求書です。しかし、この家族は業者のアドバイスに従い、自治体の水道局へ減免申請を行いました。地下などの発見困難な場所での漏水であったこと、そして発見後速やかに自治体指定の工事業者が修理を行ったことが認められ、最終的に超過した料金の約半分が減額されました。この事例から学べる重要な点は、二つあります。一つは、地中の漏水は外見からは判別できないことが多く、料金の異常だけが唯一のサインであるということです。もう一つは、修理を依頼する際は必ず「自治体の指定工事店」を選ぶべきだということです。多くの自治体では、指定業者以外の修理では減免制度が適用されないというルールがあります。安さだけで未登録の業者に頼んでしまうと、結果的に損をすることになりかねません。また、修理完了後に発行される工事証明書や写真などは、申請の際の重要な証拠書類となるため、大切に保管しておく必要があります。地下漏水は、住宅の地盤を緩ませたり、基礎に悪影響を及ぼしたりするリスクも孕んでいます。水道料金がおかしいという感覚を信じて行動したことで、この家族は家そのものの崩壊というさらなる悲劇を未然に防いだとも言えます。水道料金の異常を単なる「お金の問題」として片付けるのではなく、家の健康状態を示すバロメーターとして捉えることが、賢明な住まいとの付き合い方なのです。