楽しい旅行の最中や、実家でくつろいでいる時にふと頭をよぎる「給湯器の水抜き、忘れたかもしれない」という一抹の不安。楽しい気分は一瞬で吹き飛び、自宅のことが気になって仕方がなくなる。そんな経験は想像するだけでも冷や汗が出ますが、万が一、外出先でこの事実に気づいてしまっても、パニックになる必要はありません。遠く離れた場所にいても、打てる手や確認すべきことは存在します。 まず最初に行うべきは、冷静な情報収集です。スマートフォンなどを使い、自宅がある地域の天気予報を詳細に確認しましょう。もし、家を空けている期間中の最低気温が氷点下になる予報でなければ、凍結のリスクは低いと考えられます。過度に心配しすぎることはありません。本当に問題となるのは、強力な寒波が到来し、連日気温が氷点下まで下がるという予報が出ている場合です。この現実を正確に把握することが、次の一手を考えるための重要な判断材料となります。 次に検討すべきは、周囲の助けを借りることです。もし自宅の近くに住む家族や信頼できる友人、事情を話せる隣人など、合鍵を預けていたり、頼み事ができる人がいるならば、それが最も確実な解決策となります。電話で事情を説明し、給湯器の水抜き作業をお願いできないか、それが難しければせめて賃貸の管理会社に連絡を入れてもらうなど、協力を仰ぎましょう。緊急時に人の助けを借りることに躊躇してはいけません。 誰にも頼れる人がいない場合は、帰宅後の万が一の事態に備えておきましょう。水道局が指定する修理業者や、信頼できるガス会社の緊急連絡先などを調べてスマートフォンにメモしておくだけでも、いざという時の行動がスムーズになります。また、ご自身が加入している火災保険の契約内容を確認し、給湯器の破損や、それに伴う水漏れ被害が補償の対象となるかチェックしておくことも、心の負担を軽減する一つの方法です。出発前の確認が最善ですが、忘れてしまったことに気づいたら、落ち着いてできる限りの手を打ちましょう。